オレンジジュース~俺と一人の生徒~
告白
次の日、なぜか探しても探しても直には会えなかった。
でも、直も俺を探してる気がして、音楽室の前で待っていた。
ここにいれば、直が来るような気がした。
思い出のこの場所で言おう。
俺と直は本当にすごいかも知れない。
本当に直が来た。
しかもすごい勢いで廊下を走ってきて、俺に激突した。
「こらぁ廊下は走ってはいけません!」
俺は、直の前髪を人差し指で揺らす。
直は、相当走ったのか、息を切らしていた。
「だって・・・だって・・・先生に会いたくて。」
「そんなに走らなくても、俺は逃げないよ。」
無邪気な笑顔を向けられて、俺は胸が痛む。
この笑顔が、あと数分後に・・・どう変わってしまうんだろう。