オレンジジュース~俺と一人の生徒~
「お…い??」
俺は、スピードを緩めて、矢沢の肩に触れた。
やっべぇ…!!!
どうして
そんな笑顔向けるんだぁ?
さっきまで泣きそうな顔してただろ?
「お別れ寂しいね…」
なんて言いながら、天使のような微笑みを
俺に向けた。
無理すんな…ってまた抱きしめたくなった。
俺の前では無理して笑うなよ。
俺の前では泣いていいから…
「先生、ありがとね。」
そう言って、
矢沢は俺の車の窓ガラスにハーーーと息を吹きかけ、
その曇った部分にハートマークを書いた。