オレンジジュース~俺と一人の生徒~
「嫌いになんかならないよ。先生、何があっても大好きだよ、先生・・・先生・・・」
俺は立っていられなくなり、しゃがみ込んだ。
直は、そんな俺を優しく包んでくれた。
「先生・・・泣かないで。」
俺の頬に伝う涙に、直が優しく触れた。
「直・・・直・・・ごめんな。」
「せんせ・・・大丈夫だよ・・・」
直に頭を撫でられて、俺は心から安心した。
直が無理していることはわかっていた。
直はそういう子だから・・・
泣きたいのは直の方だろう。
直は、立ち上がり、黒板に何かを書いた。
俺の『ずっとそばにいてください』という文字の横に
『うん』と書いてくれた。