オレンジジュース~俺と一人の生徒~
第7章【消えない不安と修学旅行】
大きな不安
真実を話してから、スッキリするどころか、胸の中がモヤモヤしていた。
俺は、直と出会ってからのことを何度も思い出した。
最初に直を「生徒以上」に見てしまったのはいつだろう。
直を守りたいと思ったのはいつからだろう。
直の気持ちに気付いた時の俺の正直な気持ち。
直が俺を呼ぶたびに、抑え切れない恋心に怯えていたっけ。
好きになってはいけないと思えば思うほど、好きになっていた。
俺はこの恋が終わってしまったわけでもないのに、楽しかった思い出ばかり思い出していた。
いつものように電話をしているのに、どこか2人ともいつもと違っていた。
お互いに心の中に何かを抱えていて、それを相手に見せないように話していた。