オレンジジュース~俺と一人の生徒~
翌日、教室ではしゃぐ直を見た。
直は、無理してる。
直は、苦しんでる。
俺は間違っていた?
高校生の直にとって、あまりにも重すぎた。
でも、直は笑ってる。
俺は直の笑顔を見るたびに胸が痛み、
直の声を聞くたびに、泣きたくなった。
俺の知らない所で泣いている直。
俺には見せない涙。
俺は、教官室で夕日を眺めながら、涙がこぼれた。
大人だって、受け止めることができないような真実を
あいつは必死に受け止めようと頑張っていた。
全部、俺の為。
俺を悲しませないよう、悩ませないよう・・・
あいつは、必死で歯を食いしばって、前に進もうとしていた。