オレンジジュース~俺と一人の生徒~
スーパーマン出動
2日目の講習は、本格的になる。
リフトに乗るのを怖がっていた直を俺は探す。
直はいつも言う。
―どこにいても先生を見つけちゃうんだよって。
俺は直には負けるけど、最近その能力が備わってきた気がする。
俺がリフトに並んでいると、クラスの女子が強引に俺の隣にやってきた。
俺は、斜め後ろにいる直に気付いていた。
「悪い、俺、前行くわ!」
俺は、直から見えない場所へ移動しようとした。
「せんせーーー!!」
大勢の生徒に囲まれて、身動きが取れなくなっていた。
俺を好きだと堂々と公言している生徒が、俺の隣で照れ臭そうに笑った。
クラスの女子の協力で、その生徒は、俺の隣に座った。
直、見てるだろ?
感じるよ、背中に。
お前の気持ちが…突き刺さる。