オレンジジュース~俺と一人の生徒~
男子の部屋の見回りをしているとそのまま部屋に引っ張られた。
好きな女子の話なんてされると、俺はまた「男」になってしまう。
その部屋には、直のことを好きな男子がいるから。
だから、聞きたくなかった。
「先生、コイツ今日告白するんだぜー!」
山本と山崎の方を指差した男子。
どっちも、直のことが好きだと言っていた。
俺は胸がざわざわとした。
俺が彼氏で、直の可能性を狭くしていることはないか?
俺がいなければ、直は、この2人のどちらかと恋をしたかも知れない。
俺がいるから、直はきっと迷うことなくフッてしまう。
迷うことなく・・・って思う俺は、自信満々過ぎるだろうか。
許せ・・・
どうやら山崎が告白するような雰囲気だった。