オレンジジュース~俺と一人の生徒~
「直、愛してるよ」
俺と直は、体を寄せ合い、キスをした。
また明日になれば教師と生徒。
今だけ・・・今だけ、いいだろ?
俺だけの直だ。
俺の彼女だ。
直に触れるな。
直は俺のモンだ。
直の心の中にいる、山崎の影を消したくて・・・俺は何度もキスをした。
俺はこんなにも嫉妬深い男だったんだな。
直、お前はこんな想いを俺の何倍も経験してきたんだな。
少しでもお前の苦しみを減らしたい。
俺は直だけの「俺」だよ。
直、愛してる。
俺は今までの直のやきもちや、苦しみ、寂しさを少しでも消したくて、ずっとくっついていた。
あと数分すれば、また俺と直は教師と生徒に戻る。
すれ違っても、直に触れることはできない。
直も、俺もわかってた。
「時間」が近付いていること。
俺と直の密会のタイムリミットはあと少しだった。