オレンジジュース~俺と一人の生徒~
おみやげ
直の夢を見た。
目覚めた俺は、しばらく布団の中で直の笑顔を思い出していた。
そうだ、おみやげを買いに行こう。
午前中は、教師は自由行動だった。
生徒も、希望者以外は、午前の講習はなかった為、おみやげ売り場は混雑していた。
大人っぽいと思う反面、とても子供な部分を持った直。
ぬいぐるみとか、キラキラしたものが好きなんだよな。
直の喜ぶ顔を思い浮かべながら、おみやげ売り場をうろついた。
その時、俺の心の中には、直のことしかなかった。
直へのおみやげを買いたいと思った。
同じ場所へ来ているのに、おみやげなんておかしいけどさ。
俺が手に取ったのは、地方限定のキティちゃんのぬいぐるみだった。
気に入ったのは、そのぬいぐるみのキティちゃんは、スキーをしていて、帽子がキラキラしていた。
くくく・・・
俺は1人で笑いを堪えながら、店員さんにそのぬいぐるみを差し出した。