オレンジジュース~俺と一人の生徒~
俺は直へのおみやげをこっそりと胸に抱きながら、部屋へと戻る。
俺は、見つからないように、鞄の中へ入れた。
目立たない大きさを選んだつもりだったが、結構大きい。
俺は、鞄にぬいぐるみを入れながら想像する。
直が、このぬいぐるみを胸に抱きながら微笑む姿を・・・
ちょうど、あいつの胸にスッポリと収まる大きさだ。
いつ渡せるだろう。
今夜、直と・・・2人になれるかな。
「新垣先生、お願いできますか?」
午後までの時間、俺はそれぞれの宿に挨拶回りをすることになった。
学年主任の先生と2人で、雪の舞う中、持参したお菓子を配った。