オレンジジュース~俺と一人の生徒~
「先生、ありがとね。」
「俺の方こそ・・・お前には助けてもらってばかりだ。ありがとな。」
振り向いてしまった。
直は、ピンクのパーカーの袖を伸ばして、手を全部服の中に入れていた。
顔は寒さのせいか、ほっぺが赤くなっていてかわいかった。
抱きしめようと手を伸ばした瞬間、お腹の中で
存在を忘れていたキティちゃんが暴れ出す。
忘れてたぁ。
これ、渡さないと・・・
直をぎゅってできないじゃん。
俺はお腹の中からほかほかのキティちゃんを出して、
直のパーカーの中へ入れた。
「え?何?何コレ!!気になる!!」
「部屋帰るまで見ちゃだめ!!」
直は、子供のように目を輝かせて、パーカーの上からお腹を押さえていた。
もう
俺の体は自由。
直を抱きしめることも
直にキスすることもできる。