オレンジジュース~俺と一人の生徒~
第8章【忙しい毎日の中で】
思い出を胸に
修学旅行が終わると、一気に疲れが出た。
帰りの飛行機ではしゃいでいた直は、もう飛行機が怖くなくなったようだ。
これなら、海外へも行けるな、直。
新婚旅行はどこへ行こう。
2人きりで海外へ行こうな。
修学旅行の翌日、生徒達は休みだったが、俺達教師は会議の為に学校へ向かう。
寒さの中で小走りする俺のポケットの中で携帯が震えた。
「もしもし!」
『先生、おはよ!疲れてるでしょ?大丈夫?』
愛しの彼女は、眠いはずなのに、俺の出勤時間に電話をくれた。
「サンキュ。お前がいるから大丈夫!!」
俺は、修学旅行の余韻が消えないまま、会議に出る。
修学旅行に同行していた先生方はみんな、眠そうで、会議どころじゃなかった。
でも、みんな心の中が晴れやかだった。
今回、何より嬉しかったのは、1人もけが人が出なかったこと。
そして、誰も問題を起こさなかったこと。
自由行動を多くしたことで心配されていたが、何もトラブルがなく、俺達教師は生徒を信じて良かったと心から感じていた。
最高!!