オレンジジュース~俺と一人の生徒~
直がいない
何度も目が覚めて、無理に眠ろうとすると全く眠れず、直のことを思い出さないようにしようとすれば、逆に直のことばかり考えてしまう。
気付けばもう外は明るくなっていた。
『別れましょう』
『はい、別れましょう。今から他人です』
そんな簡単な別れがあるとは思えないが、俺と直は簡単に他人になれるような関係じゃなかった。
もしも・・・
直が言った「重い」って言葉が真実であったなら、俺は彼氏としてじゃなく、教師として一生お前を支えたい。
何の関係もなかったかのように、他人になるなんて耐えられない。
全部消えてしまうことだけは嫌だ。
俺と直の愛は特別だった。
誰にも負けない愛だった。
だから、これからも俺はお前を想い続けるし、それが迷惑だと言われれば隠し続けてもいい。
本当に別れたの?俺達。
わからないよ、俺には。
昨日の朝、俺にメールをくれた直。
今日はメールは来ない。
これが、「別れた」ってことなのか?