オレンジジュース~俺と一人の生徒~
夕日の差し込む教官室へ戻り、俺はマウスに触れた。
怖いけど、中を見るぞ。
消されていてもいい。
それが直の気持ちなら・・・
「うわぁ!!!」
誰もいなくて良かった。
俺は・・・大声で叫んだ。
だって、
だってよぉ・・・
『一生大好き』って書いてある!!!!
油性ペンで書かれた文字。
直の気持ち・・・受け取ったよ。
直、辛かっただろ。
俺の為に、お前は自分の気持ちを、マウスの中に隠した。
また俺は誰もいない音楽室へと向かっていた。
来るはずのない直を待ちたい気分だった。