オレンジジュース~俺と一人の生徒~
安心していい?
もう、直はどこへも行かない?
一生俺を愛してくれるって信じていい?
「ごめんね、先生」
「俺の方こそ、ごめん」
「ううん、私が・・・」
「いや、俺が・・・」
ぎこちない会話を繰り返し、目を合わせて笑った。
俺は、元彼女と娘とのことを話した。
直が俺を想って身を引いてくれたおかげで、俺は前に進むことが出来たと言うと、直は恥ずかしそうに笑った。
「身を引いたなんてかっこいいもんじゃないよぉ!」
直は、俺の話をうんうんと頷きながら、優しく聞いてくれた。
「私でいいの?」
「お前じゃなきゃだめ。直は俺でいいの?」
「うん。先生じゃないとだめ」