オレンジジュース~俺と一人の生徒~
俺はわざとらしく窓の外を見る素振りをしたりして。
ポケットに手を入れて、歩く。
俺にまだ気付いていないのか、矢沢は友達と笑いながら歩いていた。
え…
おい!!!!
ちょっと!!!
それは…
ないだろぉ。
おーーーい!!
何、曲がってんだぁ?
絶対俺に気付いただろ?
いつもみたいに
『せんせー!!おはよ!』って俺の背中叩いてくれねぇの?
俺とすれ違う前に矢沢は廊下を曲がって、消えていった。
ここを曲がったらどこに行けるっていうんだ?
何よりもいつも俺を追いかけてくれたお前…
俺に「おはよう」言ってくれよ!!
ふん。
俺、すねてやるぅ…