オレンジジュース~俺と一人の生徒~
いつの間にか眠ってしまっていた。
俺は夢を見ていた。
音楽室で直を待っているのに、直が来てくれない。
俺は、窓から直を呼ぶんだ。
でも、直は俺の声に気付かない。
もう音楽室で会うこともなくなるのに、
こんな夢を見てる俺。
「先生・・・」
俺は、天使のキスで目覚めた。
パンを食べながら、2人で楽しい時間を過ごす。
なかなか言えない。
嬉しい話じゃないから。
直を悲しませてしまう話だから・・・
違う話ばっかりして時間だけが過ぎていく。
「あのな・・・直。今日は話があって」
直は目をぎゅっと閉じて、下を向いた。
直、違うよ。
ちょっと寂しいけど、
俺達にはずっとずっと続く未来が待ってるんだ。