オレンジジュース~俺と一人の生徒~
「こんなにたくさん・・・いいの?」
直はパンを袋に入れながら、不思議そうな顔をした。
腹減ってるから、と言い、俺はお金を払う。
そして、
脇に挟んでいた紙袋を、そっとレジの横へ置いた。
照れる。
自分でしたことだけど、なんだかキザでかっこ悪い。
「クリスマスプレゼント・・・」
俺はそう言い、出口へ向かう。
「ありがとう!!!先生!!」
つい大声で『先生』と呼んでしまった直は、口を押さえて、恥ずかしそうに微笑んだ。
「じゃ~な!」
「ありがとうございました!!」
俺は、幸せな気持ちを抱いたまま車に乗り、やきそばパンを頬張った。
今日の夜食はやきそばパンとロールチョコパン。
明日の朝食はやきそばパンとあんぱん。
明日の昼食も・・・
直、メリークリスマス!!
一目会えただけで、満足。
いつも寂しい想いをさせてごめんな。
もう少し・・・
もう少し、頑張ろう。