オレンジジュース~俺と一人の生徒~
目覚めた直は、俺のことを『スーパーマン』だなんて言ってくれた。
熱があるのか?とおでこを触った時のお前の顔、今でも覚えてる。
運命・・・だったのかな、俺達。
お姫様抱っこで運んでくれたの?って嬉しそうに聞く直に、俺はいじわるを言ったけど、本当はお姫様抱っこ・・・してやったんだぞ。
あの日、俺はお前の悩みを知った。
悩みを抱えながらも、必死で毎日生きているお前を、守りたいと思った。
お前の笑顔の奥にある悲しみ・・・
今はどうだ?
直、幸せか?
「もうすぐ卒業だな。どう?」
俺は、空を見上げている直に聞いた。
「先生、寂しいんでしょ?」
また俺の質問には答えない。