オレンジジュース~俺と一人の生徒~
水泳補習
遂に水泳の補習の日がやってきた。
なんだか自分ばかりが悩んでいるように思えてきて、
矢沢は俺のことなんて考えていないんじゃないか…と不安になった。
本当はどこかに彼氏がいて、
俺のことは教師として好きなだけ…?
恋って怖い。
俺は
新しい自分を発見して、ちょっと笑える。
俺、かっこ悪い。
「早くしろ!!体操するぞ!」
笑い声が響く女子更衣室に向かって大声を出した。
補習は、生徒のやる気が伝わってきて、俺は好きだ。
休みの日に、わざわざ補習の為に学校へ来ることは
結構大変だと思う。
だからこそ、来た生徒には
何か楽しんで、『来て良かった』と思って帰って欲しい。
俺は、
20本のオレンジジュースの缶を用意し、補習の後生徒に渡そうと考えていた。
どうしてオレンジジュースかって?
…ん…… まぁ、
あいつがオレンジジュース好きだからってのもあるけど…
オレンジジュースを嫌いなやつはいないかなって思っただけ。