オレンジジュース~俺と一人の生徒~
穏やかな夜
客観的に見れば、これは『教師と生徒の禁断の愛』なのかも知れない。
だけど…
俺と矢沢の間に流れる空気は
全く違っていた。
『禁断』なんて言葉が似合わない、とても穏やかな空気が流れていた。
「帰りたくねぇなぁ…」
俺がポツリと本音をこぼすと、顔を赤らめた矢沢が、言う。
「夢じゃないよね?まだ…信じられない…」
俺だって信じられない。
たくさんのことに驚いてるよ。
まず、お前の強さに…
お前の強い愛に驚いてる。
お前の『大丈夫』は、本当に俺を安心させてくれた。
教師である俺がお前を求めてしまったこと、
心の奥では、自分を責めていた。
でもさ、
お前が笑ってくれるから…
かわいい笑顔で喜んでくれたからさ…
俺は救われた。