ねぇ、キスして?
そんなあたしを彼は“あはは”と笑いながら、



『奈留といたら、部屋はいつも片付いてるんだろうな』



なんて言ってくるから、さらに調子に乗って



『じゃあ、ずっと一緒にいてあげる』



なんて、若干上から目線気味に声を張り上げてしまった。


そんなあたしに、目を見開いた彼だけれど……



『そんなことしたら、彼氏に殺されるわ』



なんて笑ってる。


てか、彼氏って何!?



『そんな人いないもん!あたしが好きなのは……』



そこまで言って我に返った。


あたしは勢いに任せて、何を言おうとしたの?


こんなこと言って、今の関係が崩れたりするのは嫌っ!


だから、そのまま口を閉ざした。
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