ねぇ、キスして?
「奈留」



慌てて視線をそらせたあたしを追いかけるように声をかけてきた彼。


でも視線を合わせることはできなくて、俯いたまま「ん?」と返事をした。


そしたら……



「奈留の好きなようにしたらいいからな」



なんて言ってきたけれど……



「それ、どういう意味?」



好きなように?


それって……、あたしの気持ち次第じゃ別れてもいいってこと?


あっくんの気持ちは?



「あたしの気持ちだけで、あたし達の関係は変わっちゃうの?あっくんに気持ちはないの?」



凄く悲しかった。


今までにあっくんの気持ちを一度も聞いたことがないから、不安も一杯出てきた。


あたしは、あっくんの気持ちがあたしになくても傍にいたい……そう思うほどあっくんのことが好きなのに。
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