大切な人
それからも斎藤からの電話は続いた。
でも、もう失うモノの無くなった私には
どうでもよかった。
一切電話には出ず
家には帰らず
友達の家を転々としながら
航を忘れる為、遊び回った。
毎日浴びるように酒を飲み
自分が淋しくならないように
夜のネオンだけが味方だった。
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