大切な人
手術の日
本当は逃げたかった。
待つ時間長かった。

帰り迎えに来るからね。
ごめん。

隼人は病院から出て行った。

名前を呼ばれ
下着を取り手術着に着替えるように
看護婦さんに言われた。

手術室に入る。

麻酔打つから
10から数えて〜

10.9.8.7〜〜
意識が飛ぶ。
でも完全じゃない
先生の声
器具の音
器具の感触
何となく分かる。

数分で全ては終わった。
私は人を殺した。
一生忘れない。
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