竜の箱庭
シィの言葉に、ルードは重い、重い溜息をこぼした。
そして語りだしたのは、来訪者がどのように扱われるかについてだった。
そもそも来訪者とは、本来はこの世界に居るべきではない、他の世界から訪れた人々のことを指す。
外の世界の事をこの世界の人間は「ローデン」と呼んでいて、そのローデンから稀にこの世界に呼び寄せられる人間がいる。
どのような理由からそんな現象が起こるのかは未だ解明されていないが、
権力者や魔術師たちは、来訪者の持つ巨大な魔力がこの世界の発展には不可欠であること。
また、来訪者自身が強大な魔力を有していることから、無益な争いが起こらないために各王国で見つかった来訪者は、その国の王都に送る決まりになっている。
見分ける方法は、背中に浮かび上がる紋章…つまりはシィの背にあるようなアザであり、それは確認されているだけで六つあるのだという。
「…じゃあ、私のもそれなの?」
炎のようなアザを思い出し、シィが尋ねると、ルードは困った様に息をついた。
「…実は…、お前のは少し違うように、思う。この国の人間は、おとぎ話やなんかで竜の紋章というものを教え込まれるんだが…」
何と説明するべきか悩んでいるように、ルードはリーズに視線をやった。
リーズは頷くと、棚の奥からテーブルクロス程の大きさのあるタペストリーを引っ張り出した。
「これはね、6つの竜の紋章なの。それぞれ、この世界を構成する…いいえ、柱として、この世界を守ってくださっている竜の神様の紋章」
そこに刺繍で縫われていたのは、確かに何かの紋章に見えた。
水のようであったり、風のようであったり。
何を暗示しているのかわからないものもあったが、そのどれもがシィの背にはないものだった。
そして語りだしたのは、来訪者がどのように扱われるかについてだった。
そもそも来訪者とは、本来はこの世界に居るべきではない、他の世界から訪れた人々のことを指す。
外の世界の事をこの世界の人間は「ローデン」と呼んでいて、そのローデンから稀にこの世界に呼び寄せられる人間がいる。
どのような理由からそんな現象が起こるのかは未だ解明されていないが、
権力者や魔術師たちは、来訪者の持つ巨大な魔力がこの世界の発展には不可欠であること。
また、来訪者自身が強大な魔力を有していることから、無益な争いが起こらないために各王国で見つかった来訪者は、その国の王都に送る決まりになっている。
見分ける方法は、背中に浮かび上がる紋章…つまりはシィの背にあるようなアザであり、それは確認されているだけで六つあるのだという。
「…じゃあ、私のもそれなの?」
炎のようなアザを思い出し、シィが尋ねると、ルードは困った様に息をついた。
「…実は…、お前のは少し違うように、思う。この国の人間は、おとぎ話やなんかで竜の紋章というものを教え込まれるんだが…」
何と説明するべきか悩んでいるように、ルードはリーズに視線をやった。
リーズは頷くと、棚の奥からテーブルクロス程の大きさのあるタペストリーを引っ張り出した。
「これはね、6つの竜の紋章なの。それぞれ、この世界を構成する…いいえ、柱として、この世界を守ってくださっている竜の神様の紋章」
そこに刺繍で縫われていたのは、確かに何かの紋章に見えた。
水のようであったり、風のようであったり。
何を暗示しているのかわからないものもあったが、そのどれもがシィの背にはないものだった。