竜の箱庭
「これ、知ってるわ。母さんが見せてくれたのと似てる」
シィが思わず声をあげると、セインは微笑んだ。
「君のお母さん?」
「…あ、うん。本当の、母親じゃないんだけど…ほら、あなたも見たでしょう…」
最後は小さな声になりながらシィが言うと、セインは小さく頷きながらシィの頭を撫でた。
「君のお母さんは、君に普通の子として育って欲しかったんだね」
それの意味するところはつまり、来訪者の末路があまり幸せではないことに起因するのだろうと、何も知らないシィでもわかった。
自分はこんなにも無力なのに、守られるばかりで、何も出来ない。
そんな思いが、リーズやルードを思い出す度に湧き上がる。
「エルシア、あんまり自分を責めないで」
見透かされた様なセインの言葉に、シィは何も言う事が出来ない。
責められた方がどんなに楽だろう。
シィはうつむきながら、ただ本を抱きしめる事しかできなかった。
シィが思わず声をあげると、セインは微笑んだ。
「君のお母さん?」
「…あ、うん。本当の、母親じゃないんだけど…ほら、あなたも見たでしょう…」
最後は小さな声になりながらシィが言うと、セインは小さく頷きながらシィの頭を撫でた。
「君のお母さんは、君に普通の子として育って欲しかったんだね」
それの意味するところはつまり、来訪者の末路があまり幸せではないことに起因するのだろうと、何も知らないシィでもわかった。
自分はこんなにも無力なのに、守られるばかりで、何も出来ない。
そんな思いが、リーズやルードを思い出す度に湧き上がる。
「エルシア、あんまり自分を責めないで」
見透かされた様なセインの言葉に、シィは何も言う事が出来ない。
責められた方がどんなに楽だろう。
シィはうつむきながら、ただ本を抱きしめる事しかできなかった。