竜の箱庭
「あとどれくらいで着くのかしら。夜までに下に戻るのは無理ね」
「恐らく、神殿で一泊することになるだろうね。野宿は辛い?」
「平気よ」
シィは言うと、疲れた足を冷やすために靴を脱いだ。
そっと水面に足を沈めると、ひんやりとして気持ちがよかった。
「あなたも足、冷やさなくて平気なの?」
「私は旅慣れているからね。それより、辛かったらいつでも言うんだよ」
シィは大丈夫、とだけ言って水面を見つめた。
目の前にゆらゆら映っている自分の顔は、酷くやつれて見えた。
それでも笑顔を作ると、すっかり冷え切ってしまった足を水から出した。
暫くの間休憩していると、風が冷たくなってきた。
シィにもわかるほど、その風は冷たく、湿ってきたのだ。
「雨でも降るのかしら」
「そのようだね。急ごう」
二人は頷き合うと、いそいそと荷物を纏め歩き出した。
険しい山道を歩き、ぽつりぽつりと雨粒が落ちてきた頃、やっと神殿の入り口に辿り着いた。
「やっと着いた…」
シィは安堵の溜息を漏らし、山肌を濡らしていく冷たい雨粒を見つめた。
下界は、雨のせいか雲のせいか、煙ってしまって見えない。
「重たい荷物はここに置いて、奥へ行こう」
セインに促され、シィは後を追った。
「恐らく、神殿で一泊することになるだろうね。野宿は辛い?」
「平気よ」
シィは言うと、疲れた足を冷やすために靴を脱いだ。
そっと水面に足を沈めると、ひんやりとして気持ちがよかった。
「あなたも足、冷やさなくて平気なの?」
「私は旅慣れているからね。それより、辛かったらいつでも言うんだよ」
シィは大丈夫、とだけ言って水面を見つめた。
目の前にゆらゆら映っている自分の顔は、酷くやつれて見えた。
それでも笑顔を作ると、すっかり冷え切ってしまった足を水から出した。
暫くの間休憩していると、風が冷たくなってきた。
シィにもわかるほど、その風は冷たく、湿ってきたのだ。
「雨でも降るのかしら」
「そのようだね。急ごう」
二人は頷き合うと、いそいそと荷物を纏め歩き出した。
険しい山道を歩き、ぽつりぽつりと雨粒が落ちてきた頃、やっと神殿の入り口に辿り着いた。
「やっと着いた…」
シィは安堵の溜息を漏らし、山肌を濡らしていく冷たい雨粒を見つめた。
下界は、雨のせいか雲のせいか、煙ってしまって見えない。
「重たい荷物はここに置いて、奥へ行こう」
セインに促され、シィは後を追った。