顔面レベル100の幼なじみと同居なんてゼッタイありえません!


って、あれ?
ここは要の家だし、いてもおかしくはないんだけど。



要は放心状態のあたしに向き合うと、ちょっとだけその距離をつめた。


すぐ隣に要がいる。

ひとつのベッドの上で。




ドキン ドキン



―――変な雰囲気。



「……あ、お、起こしてくれればよかったのに」


って、このセリフ。
前に要の口から聞いたかも。

寝てるとこ見られてたと思うと、恥ずかしくてたまらない。


「気持ち良さそうに寝てたから、起こしちゃもったいないと思って」




へ?




「よだれ」



要は自分の口元を指差した。



「うまいもんの夢でも見た?」


「な……なな……」



あたしは慌てて拭った。



ひええええええっ。
恥ずかしすぎるっ!


ほんとあたしって色気の欠片もないな……。


自分が惨めになって、あたしはしゅんとうな垂れた。



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