オオカミ系幼なじみと同居中。
予想外の要の態度に驚いて、あたしの体も固まる。
振り払われた……。
最近、要とはろくに話もしないくらいだった。
心の片隅で、もしかして避けられてるのかなって思ってた。
でも怖くて、認めたくなかったよ……。
だけど、だけど……
いつもイジワル言いながら、ほんの少しのぞかせる優しい笑顔が。
あたしを抱きしめた腕のぬくもりが。
あの日のキスが……。
あたしを突き動かした。
うぬぼれ、だったの?
やっぱり、あれは要が誰にでもする「行為」のひとつだったの?
もしそうなら……慣れてるんだよね?
だとしたら――……
…………要。
「あたしの事 嫌い?」
「はぁ?」
心の中で呟いたつもりだったあたしの言葉は要の耳に聞こえたらしい。
要の呆れたような、怒ったような声にあたしはビクッと体を震わせた。
そして、大きく息を吐き出しながら要はガシガシと頭を掻いた。
「あのなぁ、俺は……。 と、とにかく……別にそんなんじゃない」
暗くて、よく表情がわからない。
要の顔をよくみようと覗きこもうと、身を屈めた瞬間――――
――――カチ!
「!?」