オオカミ系幼なじみと同居中。
・夏の午後、図書室で。
振り返ったあたしの瞳に映った人。
それは 要 だった。
「……な、なんで」
今のを聞かれちゃった?
―――要に?
あたしは言葉にならない声を出し、まるで金魚のように口をパクパクさせた。
要にとって、一番不釣り合いな図書室にどうしているのかがわからなかった。
要はその表情を歪めて頭を擦りながら、本棚の影からその姿を現した。
そして、あたしと旬にちらっと視線を向ける。
「あー……俺、何も聞いてないから」
要はそのままあたし達をすり抜けようとしたけど、それを旬が引き止めた。
「お前が……相田?」
旬が要に声をかけたからあたしは飛び上がりそうになった。