オオカミ系幼なじみと同居中。
・苺キャンディの約束
旬と別れたあたしは要の教室まで行ってみる。
だけどそこはからっぽの教室だった。
要はあたしの事なんてきっとどうでもよくて。
他の誰と付き合っても関係なくて……。
要があたしにしてきた「コト」ってやっぱり
その他大勢の中の女の子にするのと同じなんだ。
心にぽっかりと空いた穴。
誰もいない教室はあたしの心を表してるようで、視界をぼんやりと濁した。
あたしは仕方なく一人ですっかり人通りがまばらになった校門を出た。
明日から夏休み――
真っ青な空には、入道雲が上へ上へと伸びている。
どこまでも続いている目眩がしそうな程の青空。
髪を撫でる風の中に、夏を感じた。
本格的な夏が来る。
あたしが要の家に居候し始めてもうすぐ3ヶ月がたとうとしてる。
――通いなれた道。
あたしはいつまで、この道を歩く事が出来るんだろう。
ふと、そんな事を思った。