オオカミ系幼なじみと同居中。
茜色に染まる部屋
そこには、あたしと要の吐息が交じり合っている。
「ただいまあ」
玄関のドアが開く音と共に、おばさんの声が響いた。
「いないの?未央ちゃん、要?」
「!?」
階段をゆっくり上がってくる足音。
あたしのシャツに手をかけていた要の手が止まり、体をガバッと離した。
「やべ……」
「どど……どうしようっ!」
お決まりの展開に頭は真っ白になる。
あたしは、外れかけていたボタンを急いではめ直す。
だんだん、近づく足音が、部屋の前で止まった。
――……ギイイ
「要?」