オオカミ系幼なじみと同居中。
「……居るなら返事してくれないかしら、2人とも」
ドアを少し開けて顔を覗かせたおばさんが、なんだか、怪訝そうな顔をしている。
「…………お、おかえりなさい。 べっ勉強教えてもらってて……それで……」
テーブルの上に教科書やノートを広げたあたしは、しどろもどろになりながら、必死で冷静を装った。
要はあたしの斜め後ろでベッドに寄りかかって頭を掻いている。
「…………そう。ま、いいわ。要、未央ちゃんに変な事教えないでよ」
そう言って、ドアを閉めるおばさんは最後まで、あたし達から目を逸らさなかった。
「はあああ……」
あたしは、肩の力をふうっと抜いた。
ほんとうにびっくりした。
「……ありゃ、気づかれたな」
「へっ!?」
要は、教科書を手にとりながら言った。
あたしは、要の言葉に驚いて振り返った。
教科書のページをパラパラめくる要は平然としている。
あたし全然普通だったよね?
バレちゃう要素、どこにもなかったよねっ?
……ねっ!?
「ま、続きはまた今度な☆」
そう言って要は、ニヤリと悪戯に笑うと軽くあたしの髪にキスをした。
「な、な、な……」
信じらんないっ!
要のお母さんだよっ!?
ありえないしっっ!!!
「未央……おいっ!?」
頭に血が昇ったと思ったら、急に目の前が真っ白になった。