顔面レベル100の幼なじみと同居なんてゼッタイありえません!
頭上からの、野太い声があたしの体を痺れさせる。
早苗は『あちゃ~』と頭を抱えた。
ブルっと身震いをしてあたしはその声の先に視線を送る。
ひえーーーー!!!
あたしの目の前には、学校中の嫌われ者、生徒の間で命令されたくないナンバー1の“笠田(カサダ)センセ”がいた。
笠田は、あたしと目が合うとニヤリと気持ち悪い笑みを浮かべその口から煙草の匂いを撒き散らした。
「桜井、このページ全部訳してみなさい」
「・・・・」
あたしは笠田の匂いを嗅がないように教科書に視線を落とした。
「・・・・」
「どうした?」
無理!!
無理無理無理!!!
ぜんっぜんわかんない・・・・
しかも、今ほとんど授業聞いてなかったし。
「・・・・わかりません」
「なんだ?」
笠田めっ!聞こえないふりなんかしちゃってさ!!