オオカミ系幼なじみと同居中。
「何の用って・・・会いに来ちゃだめ?」
美咲は、クリクリの大きな瞳で要を見上げた。
そんな顔は反則でしょ~!?
ってか、あたしやだ!こーゆうタイプ!!!
手にじっとりと嫌な汗を掻いて、スカートでそれを拭う。
要の表情から、今なにを感じてるのかわからない。
美咲は、要に腕を掴まれたままムッとした顔をした。
「だって、要ってばせっかくバイト一緒にやってるのに、全然時間作ってくれないんだも・・・むぐぐっ」
え?
美咲の言葉はそれ以上先を言わないように、口が塞がれていた。
要は美咲の口を手で覆ったまま、とても冷たい瞳で彼女を見下ろしていた。
「なあ。オレが言った事忘れたの?いいから帰れ」
要はそう言うと、美咲の口から手を離した。
「・・・・だって・・・でもあたし・・・」
美咲は今にも泣きそうだ。
そして、大きな瞳から涙が溢れる前に、美咲は振り返り逃げるように走り去ってしまった。
「・・・・・・」
要は、美咲が走り去った方をただ黙って見つめていた。
どういう事?
あたしは、なにがなんだかわからず、ただ前を見据えている要を見つめた。