オオカミ系幼なじみと同居中。
「どうかしたの、あんた達」
心配そうに、あたしと要の顔を覗き込んだのはおばさんだった。
あたし達は夕食を4人で囲んでいる。
せっかくの美味しいおばさんの手料理も、今のあたしには何も感じられなかった。
「え?なにが?・・・あっおばさん、この煮物おいし~。今度あたしに教えてください」
あたしは、嘘を付いた。
ごめんね、おばさん・・・・
でもね、その原因がこの隣にいる限り・・・
ましてや、さっきの一連の出来事を忘れてしまったかのように、悠々とご飯を口に運んでいる要が許せなくて・・・
この場所にいるのが今は苦痛なの。
あたしは早くご飯を済ませて2階に上がった。
「はあ・・・・」
自分の部屋まで来ると、一気に緊張が解け、大きな溜息をついてしまった。
「お前・・・わかりやす・・・」
「へ!?」
急に背後から呟くような声がしてあたしは軽く跳び跳ねた。
振り返ったあたしの視線の先に、首をポリポリと掻いて呆れた様な顔をした要がいた。
「・・・・」
あたしは聞こえてないふりをして軽く要を睨むと部屋のドアを開けた。
その瞬間――――