オオカミ系幼なじみと同居中。
「ふぅん。美咲ねぇ」
頬杖をついて、目の前の紅茶を一口飲んだ早苗は何か考え込んでいるようだ。
あたしは、いつものファミレスで早苗と校門で別れた後の事を話していた。
しばらく紅茶の入ったカップに視線を落としていた早苗が顔を上げた。
「相田って、未央と付き合う前は結構荒れてたからねぇ。そんな女がいてもおかしくはないんだけど・・・」
「・・・荒れてた?」
早苗の言葉がグサッと胸に突き刺さる。
「あ・・・でもさ、相田って未央にかなり惚れ込んでると思うよ?だから、信じてみていいんじゃないかな」
あたしの表情が曇ったのを見逃さず、すかさずフォローを入れてくれた。
「そ、かな。・・・そうだね、信じてみないとね」
「そうだよ。大丈夫だよ。」
あたしは半ば自分に言い聞かせるように言った。
窓の外に視線を移すと、街路樹から落ち葉がヒラヒラと舞っていた。
もう夏も終りを告げようとしているのがわかる。
短い秋が始まろうとしていた。
あたしはその落ち葉が行きかう人達に踏まれていくのをただ黙って見つめていた。