オオカミ系幼なじみと同居中。
・潜入調査開始!!
街灯に照らされた夜道を歩く。
要のバイト先の、“*CAFEandBAE jiji*”までは歩いて20分の距離。
結構かかるなぁ…
あたしは、はきなれないパンプスで少し痛くなった足を見た。
駅前まで来ると夜の街が賑やかにあたしを迎えた。
あたしは普段、あまり夜の駅前通りには来たことがなかった。
酔っぱらっているスーツを着たサラリーマンや、仲良さげに肩を並べて歩くカップルの姿。
飲み会や合コンだろうか…
男女のグループに何組かすれちがった。
うう…
場違い…かなぁ。
あたしは早くお店に着きたくて足を早めた。
賑やかな通りの角を曲がると、そのお店はあった。
オレンジの優しい光に照らされた一角。
白いクリーム色の壁。
木で造られた窓枠やドアが落ち着いた雰囲気をかもしだしている。
“welcome!”と小さな黒板に書かれた文字。
その下には“本日のオススメ”なんて書かれている。
ここがあたし達憧れの店、要のバイト先だ。
あたしはその前に立ち、ドアを開けて中に入る勇気を失っていた。