オオカミ系幼なじみと同居中。
薄暗い夜道。
要の足音だけが響く。
「……」
「……」
気まずーーー!
なんで何も言わないの?
あたしも何黙ってんだぁ?
心臓がドキドキとすごい速さで鼓動を打つ。
こんなに密着してるんだもん。
要はあたしに気づいてるだろう。
それでも、なにも言わない要が、今どんな顔をしてるのかすごく不安になってしまう。
あたし、要と付き合ってるんだよね?
あたしを好きって思ってくれてるんだよね?
心の中で要に言う。
こんなに近くにいるのに、どんどん遠くに行ってしまうような……。
そんな感覚に呑み込まれそうになって……。
あたしは要に回された腕に力を込めた。