オオカミ系幼なじみと同居中。


「未央・・・ちょっとだけここで待ってて?すぐ戻ってくるから」



要は、申し訳なさそうにあたしの顔を覗き込むと両手を顔の前でパチンと合わせた。



あたしは、じっとその瞳を見つめてた。

要の本心が知りたくて。




「・・・うん。いいよ。
あたし、待ってる」





あたしは笑顔を作って要に言った。
その言葉を聞いて、要はホッとしたように「はあ」と息をついた。




「ほんと、ごめん。じゃ、ちょっと待ってて」




そう言って要は、あたしに背を向けて人混みに中に走り去った。




「・・・・・・」




ほんとは行ってなんかほしくない。


でも、そう言ったら要、困るよね?





あたし、見ちゃったんだ。



電話の相手―――









―――・・・美咲さんだったね。



慌てて、走り去った要。



あたしに手を合わせた要。





「・・・・・・ばか」





あたしは目に溜まった雫がこぼれてしまわないように、空を仰いだ。





それから寒空の下、あたしは日が落ちるまで要を待った。


吐く息が白くなって体を包むコートが冷たくなっても、あたし待ってたよ?



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