オオカミ系幼なじみと同居中。
旬は暫く黙ってあたしの様子を眺めていたけど、なにを思ったか脇に自転車を停めると、そのままあたしの横に腰を下ろした。
「・・・・旬?」
「1人より、2人の方がましだろ?」
旬はあたしから顔を背けたままそう言った。
そして、チラリとあたしの表情を確認すると溜息を「ふう」とついた。
「待たせてるのって・・・どーせ相田だろ?
あいつ、なにしてんの?こんなとこにお前1人残して」
「え・・・」
旬の言葉に、あたしは驚いて目を見開いた。
まさに「図星」と言う顔をしてるだろう。
旬はあたしの言葉を待っている。
じっとあたしを見つめたまま、視線を逸らそうとしない。
その瞳から逃れられなくてなぜか意味もなく瞬きを繰り返した。
なんとかうまく言って誤魔化そうとも思ったけど、きっとすぐにうそだとわかってしまうだろう。
「・・・あ・・・あのね。要の携帯に突然電話が入って・・・
すごく急いでたから、なにか急用なんだと思う・・・」
あたしはそこまで言うと、その急に胸がギュッと締め付けられた。
視界が滲んで見えて、あたしは唇を噛締めた。
でも・・・・旬にこんな事言ってもいいのかな・・・
「だから?」
「え?」
静かな口調で旬はそう言った。