オオカミ系幼なじみと同居中。
学校につくと、丁度旬も登校してきたところだった。
旬はあたし達に気づくと、「よぉ」と手を上げて声をかけてくれた。
昨日の事があるから、あたしはなんとなく気まずくなって
「・・・・お、おはよ」
なんてどもってしまった。
そんな様子に、要はあたしの顔を覗き込んだ。
「なんかあった?」
その瞳に全てを見透かされてしまいそう・・・
じっと見つめられて、思わず視線が泳いでしまった。
理由なんていえるわけないじゃない!
昨日、要を待ってる時に一緒にいてくれたなんて・・・。
「うんん。なんにもないよ?・・・なんで?」
あたしがあえて明るく言うと、要は「ふーん」と言いながらチラリと旬を見たのがわかった。
そこからあたしたちはそれぞれの教室にむかった。
その日の授業なんか、もちろん集中できるわけもなく。
あたしはぼんやり一日過ごした。
茜色の空がもうじき紺色に染まる頃・・・
「未央」
校門から出ようとしていたところを突然呼び止められて、思わず体がビクリと跳ねた。