オオカミ系幼なじみと同居中。
4時を過ぎる頃には、ビルの合間に見えていた太陽はその姿を消し、代わりに街灯が商店街を照らし始めた。
頬を撫でる風は冷たくて、あたしは旬の肩越しに町並みを眺めた。
クリスマスの華やいだ独特の色が冷えた心をほんのりと包み込むようだ。
気が付くと12月も半ばを過ぎ、クリスマスまであと数日だという事に気づいた。
『クリスマスは一緒に過ごそうな』
要の言葉が頭の中で何度も繰り返される。
要と過ごすクリスマスか・・・
ぼんやりとそんな事を考えていると、自転車が不意に止まった。
「・・・どうしたの?」
自転車を止めたまま固まっている旬。
あたしは不思議に思って、旬の顔を覗き込んだ。
旬は、ある一点を見つめたまま微動だにしない。
「・・・・」
あたしも、旬の視線の先を追った。
え?
・・・・な、なんで・・・・