オオカミ系幼なじみと同居中。


旬の姿が見えなくなっても、あたしはその場から動く事が出来なかった。



・・・・落ち着け、あたし。

もう一度良く考えてみな?

旬が何て言ったか。


「・・・・・・」






『諦めるのやめた』



・・・だから、どうゆうコト?


ヤメタってなにを??



頭の中に幾つもの「?マーク」を浮かべたあたしは、いつの間にかすぐ傍まで来ていた人影に気づかなかった。




街灯に照らされて、長い影があたしの影に重なって、あたしはようやく顔を上げた。




「・・・あ・・・」



顔を上げた瞬間、あたしは固まってしまった。
持っていた鞄を思わず落としそうになって、なんとかそれを耐える。






や・・・やだ・・・・いつから、そこに・・・・?



「・・・要・・・」


< 219 / 301 >

この作品をシェア

pagetop