オオカミ系幼なじみと同居中。

暗い部屋の中。

要は何も言わずにあたしを抱き締めたまま。



心臓の音だけがリアルに耳に響いてくる。




ずっとこうして欲しかった。


要に触れて欲しくて仕方なかった。


でも、そんな事言ったらきっと要は軽蔑するよね?
一度は要を拒絶したのに、いつの間にか、あたしこんなにも要を求めてる。

こうして触れ合ってるところから熱を帯びる。



どうしよう・・・。



目眩に似た感覚にあたしはキュッと瞼を閉じた。





あたしを抱き締めていた要の腕が、不意に力を緩めた。




「・・・・むかつく」


「え・・・・・きゃッ!?」



そう言うと、要は乱暴にあたしを押し倒した。
あまりの衝撃にあたしは少しの間、なにが起こったのかわからなかった。





なに?


なんで?




目の前には要の顔。


ベッドの上で、両手を押さえつけられたあたしは身動きが取れない。






「・・・・や・・・」



――――・・・怖い。


その感情だけがあたしの心を支配してくのがわかった。

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