オオカミ系幼なじみと同居中。



――ダメだよ・・・―――


言っちゃダメって声がする・・・・・






「・・・なに、それ」

「だって・・・・休みだって全然合わないし、家にいたって少ししか一緒にいられないじゃない。それに・・・・・・それに美咲さんだって・・・!!」

「じゃあ、未央はなんだよ。なんで藤森なんだよ・・・」



要はやっぱり見ていたんだ。
あたしと旬のやり取りを・・・。

感情的に気持ちをぶつけたあたしとは裏腹に、低い静かな要の声がした。





――・・・わかってる。
あたしが言ってるのはただのわがままだって。



だけど、あたし“彼女”なんだよ?




これじゃ、女友達と変わらない。

あたしは要にとって“特別な女の子”だとわかる何かが欲しかった。




過去にこだわったって仕方ないってわかってるよ。


だけど・・・・




「・・・だって・・・あたし、昨日だって要の事ずっと待ってたんだよ?
ずっと・・・ずっと信じて待ってた。けど・・・要来なかった・・・
なんで?ここまでされてあたし要のなにを信じたらいいの?」




一度溢れ出した言葉はもう止められない。


自分じゃどうする事もできなかった。



要の目が見れない。


真っ直ぐに、あたしを見つめたまま何も言わない要から視線を落としたまま。

あたしは乱れた服を直しながら必死に涙を堪えた。






「・・・・・・・ごめん」


「・・・・・・・」



要はただそれだけポツリと言った。



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