オオカミ系幼なじみと同居中。
雪でも落ちてそうな空から視線を戻した俺は息を呑んだ。
来た……。
見間違うわけない。
来たんだ。
未央が………!!
俺はユルユルとその場から立ち上がって、未央がいる方へ向かった。
まだ、俺に気づいていないようだ。
暖かそうなモコモコのジャンパーに身を包んで、マフラーで鼻まで隠している。
顔は半分隠れていても未央を間違うわけない。
ツリーの前で辺りを見渡している。
まじか。
本当に?
俺にもチャンスくれんのか?
今にも抱き締めたい衝動をなんとか抑えて、俺は明るく声をかけた。
「未央」
突然名前を呼ばれて小さな体をビクッと揺らして、未央はゆっくり振り返った。
「…旬」
「……ツリー超キレイだな」
少し腰を屈め、未央の顔を覗き込んでみる。
その瞬間俺は悟った―――…
ああ…
そうか…