オオカミ系幼なじみと同居中。
にっこり微笑んでる4人の大人達。
その言っている事が理解できなくて、呆然としているあたしの姿は酷く滑稽な姿だろう。
「忙しくなるな」
「そうね…年内はお爺さん達に会いに行かないとね」
「四郎、今日はうちで夕飯食べて行ってくれよ」
「要も喜ぶわ」
パパ達の会話が全部、耳に入っては出て行ってしまう。
頭の中に留まっていてくれない。
手がまるで氷のように冷たくなるのを感じながらあたしはスカートの裾をギュッと掴んだ。
「……ねえ…アメリカって…どゆう…事?」
震える声で何とか言葉を搾り出した。
「ん?言ってなかったか?年明けすぐに3人でアメリカへ渡るんだ…今回はちょっと長くかかりそうなんでな、さすがに愛娘を1人こっちには置いていけないからな」
「………そ…んな」
その瞬間、全てがフェードアウトしていく。
アメリカ………
日本に居られない……
相田家に居候する事が終わるだけじゃなくて……日本にも居られない……
会うことも出来なくなるの?
どうしよう……
どうすればいい?
子供のあたしには………
どうする事も出来ないの?
やだ…
いやだよ……