オオカミ系幼なじみと同居中。
公園の中は相変わらず静かで
新しい一年の始まりにしては、あまりに普通で。
でも、あたしに起こっている事は
あまりに普通じゃなかった。
要は腕の力を弱めることはない。
何かを考えるように。
ただ、じっと。
「…………あ、あの」
「しぃー。 静かに」
「……」
たまらず声をかけると、要はそう言っただけであとはまた黙ってしまった。
ドキン
ドキン
な……
なんだろう……これは。
あたし達は抱き合ったまま、お互い身動きもとらずじっとしている。
動くことを要が許してくれない。
もう耳まで真っ赤のあたし。
緊張のあまり涙が出そうになっていた。
要の静かに呼吸するたび、首筋にかかる息にあたしの体は震えた。
そして、小さく息を吸い込むのがわかる。
「……未央、このまま聞いて?」
搾り出すような声。
あたしは黙ってそれに耳を傾けた。